「若くして認知症に」40代後半で一気に脳が老ける人の頭の中で起きていること

人間の脳は、生まれてきたときも未完成、成人しても未完成。つまり一生涯を通して未完成のまま。その事実は、脳のMRI画像を見るとよく理解できます。

生まれたばかりの赤ちゃんの脳の中には、「枝ぶり」が全然育っていません(画像左)。だからツルツルで真っ白です。それが、2歳くらいの幼児になってくると黒い筋(枝ぶり)が出てきます(同中)。少しずつネットワークができていくわけです。そして、成人の脳には、太い「枝ぶり」がしっかりとできています(同右)。

ただし、成人になればみな同じようにしっかりとした「枝ぶり」が育つわけではありません。何の経験もせず、何の刺激も与えられない状況では、脳の「枝ぶり」が伸びることはありません。

脳は筋肉と同じで、使うことで鍛えられ、発達していきます。日々の生活で使われ鍛えられている脳は、40歳を超えても成長できる反面、使わないでいれば若くても退化してしまう可能性がある、ということなのです。

40代後半から急増する「脳の老化物質」
脳の機能低下をもたらすのは、インターネットやSNSだけではありません。40代後半になると、私たちの体の中にも変化が起こります。

20代、30代であれば、内臓も元気で消化吸収・代謝機能が高く、多少の暴飲暴食をしても、体に何かトラブルが出てくることはほとんどありません。ところが40代後半になってくると、ちょっとしたタイミングで、体の不調、老化のサインが出てきます。

全国8地域からなる大規模認知症コホート研究で境界型糖尿病とアルツハイマー病との関連を報告

金沢大学医薬保健研究域医学系脳老化・神経病態学(脳神経内科学)の山田正仁名誉教授,医薬保健学総合研究科 認知症先制医学講座の篠原もえ子特任准教授,九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授らの共同研究グループは,健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究:JPSC-AD研究(※1)のデータを用いて,ヘモグロビンA1c(HbA1c)(※2)5.7~6.4%の境界型糖尿病(※3)とアルツハイマー病の罹病が関連することを初めて明らかにしました。
高齢者糖尿病の血糖コントロール目標は低血糖のリスクを避けるためにHbA1c 7.0%程度とされていますが,本研究結果より認知症予防のためにはより十分な血糖コントロールが望ましい可能性が示唆されました。JPSC-AD研究では2016年から2018年にベースライン調査を実施し,全国8地域で11,410名の調査を行いました。2021年から2023年に同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施し,新たな認知症の発症及び認知機能の変化を調査する予定です。今後,縦断研究を行うことで糖代謝異常がアルツハイマー病をきたす詳細なメカニズムを明らかにし,個々の認知症発症リスクに応じた予防・治療法の確立が期待されます。

Giant Study Finds Viagra Is Linked to Almost 70% Lower Risk of Alzheimer’s

Usage of the medication sildenafil – better known to most as the brand-name drug Viagra – is associated with dramatically reduced incidence of Alzheimer’s disease, new research suggests.

According to a study led by researchers at the Cleveland Clinic, taking sildenafil is tied to a nearly 70 percent lower risk of developing Alzheimer’s compared to non-users.

That’s based on an analysis of health insurance claim data from over 7.2 million people, in which records showed that claimants who took the medication were much less likely to develop Alzheimer’s over the next six years of follow up, compared to matched control patients who didn’t use sildenafil.

It’s important to note that observed associations like this – even on a huge scale – are not the same as proof of a causative effect. For example, it’s possible that the people in the cohort who took sildenafil might have something else to thank for their improved chances of not developing Alzheimer’s.

認知症領域の課題解決を目指す医療AIスタートアップSplinkが11.2億円調達、脳ドック用AIプログラムの全国普及・拡大推進

認知症領域の課題解決を目指す医療AIスタートアップSplinkは11月17日、総額約11億2000万円の資金調達を発表した。引受先はジャフコ グループ、東京海上日動火災保険、三菱UFJキャピタル、博報堂DYホールディングス、個人投資家。調達した資金により、引受先とのシナジーを活用するとともに製品化・事業化を加速する。

Splinkは、2017年の創業以来、認知症予防の促進を目指し、脳ドック用AIプログラムとして「Brain Life Imaging」の提供を進めてきた。都内を中心に様々な医療機関が利用しており、今後全国への普及・拡大を推進するという。また、この先行サービスで得られた知見を活用し、開発を進めてきた「脳画像解析プログラムBraineer」では、診断・治療フェーズにおける認知症見逃しを防ぐ医療機器プログラムとして2021年6月に薬事認可を取得した。
同社は、今回の増資により主力製品Brain Life ImagingおよびBraineerの製品強化を引き続き進めるという。さらに、複数アカデミアとの共同研究を通じて開発パイプラインの製品化に向けた投資も実施する。認知症という高齢化社会における課題に対し、健常段階の予防から発症後の病気と共生できる社会に寄与すべく、認知症の予防から診断まで一貫したソリューションをワンストップで提供するとしている。

アルツハイマー病の原因とみられる「アミロイドβ」の血液から脳への経路が明らかとなる

アルツハイマー病の予防やその進行を遅らせるための新たな治療の道をひらく成果 Lars Neumann-iStock

<アルツハイマー病患者の脳内に蓄積されるアミロイドβは、『リポタンパク質』から脳に漏出している可能性がある、との研究論文を発表された>

アルツハイマー病患者には、脳内で「アミロイドβ」が蓄積するという特徴がみられる。これまでの研究で、アミロイドβは脳だけでなく、血小板や血管、筋肉など、脳の外でも産生され、脳に侵入する可能性があることが示されていた。しかし、アミロイドβが体内のどこに由来し、なぜ脳で蓄積されるのかについては、まだ十分に解明されていない。

アミロイドβは、リポタンパク質から脳に漏出している
豪カーティン大学らの研究チームは、2021年9月14日、オープンアクセスジャーナル「プロスワン・バイオロジー」で「アルツハイマー病患者の脳内に蓄積されるアミロイドβは、血液中で脂質の運搬を担う複合体粒子『リポタンパク質』から脳に漏出している可能性がある」との研究論文を発表した。