山梨のコロナ対策支える「シンゲン」 医療DXの先行事例

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新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染拡大で、山梨県の隣接5都県全てが蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用となった。だが28日現在、山梨県は重点措置適用は申請せず、飲食店の時短営業や酒類提供禁止などの措置はとっていない。店舗での感染対策と同時に、医療提供体制を強化しているためで、その鍵を握るのが感染者の症状把握ITシステムだ。コロナ対策の医療版デジタルトランスフォーメーション(DX)の先行事例で、医療崩壊を防ぎつつ、経済活動を継続する「山梨モデル」を支える縁の下の力持ちだ。

地元の英雄にちなむ
「東京や他県では自宅療養といってはいるが、必ずしも医療の手が入っておらず、実際には医療放棄だ。山梨は自宅でも病院と同じように、医師と常に連絡が取れる状態にしてあり、決定的な差がある」

山梨大の島田真路学長は、同大が開発し県内で運用しているコロナ感染患者の情報を一元管理するシステムの効果を強調する。名称は「シンゲン(SHINGEN=Smart Health INformation Gathering & Evaluation Network)」。山梨の英雄、武田信玄公にちなんだ。