アジア各国で、一度植え付けた稲を数年にわたって多年草のように栽培する稲の多年草化栽培が進んでいる。不耕起栽培、冬期たん水が特徴。中国政府は、品種を指定し、普及拡大させる。日本国内でも既に取り組みを始めている農家がいる。
中国は、南方地域の雲南大学を中心に稲の多年草化栽培の研究、開発を進めている。同大学研究グループが11月、国際学術月刊紙の「Nature Sustainability」(自然の持続可能性)に発表した論文「多年草化した稲の持続可能な生産量と生産潜在力」で明らかにした。
稲の多年草化栽培は、一度植えた稲を連続3、4年間、不耕起栽培で繰り返し、収穫する。種も、苗も毎年買う必要がなく、移植などの作業も省き、生産コストを大幅に削減することができるという。
試験によると、多年草化した稲は、毎年、二期作の収穫が可能で、平均生産量は、1ヘクタール当たり年間6800キロと、一般の米の生産量並みとなっている。生産コストは、季節ごとに46・8~51%を削減できる。