7年かけたシステム使わず、急造ハーシスで混乱…厚労省「詳しい経緯わからない」

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「デジタル敗戦」と言われた新型コロナウイルス対応で、使われなかった「幻のシステム」がある。「症例情報迅速集積システム(FFHS)」。2009年の新型インフルエンザの教訓から、素早く感染者情報を把握する目的で、厚生労働省の研究班が13年から7年かけて開発した。

 コロナ禍が始まった20年2月、厚労省から研究班にコロナ向けにシステムを改修するようメールで指示があった。だが、導入されたのは同時期に急きょ、開発が始まった「HER―SYS(ハーシス)」だった。

FFHSではなく、なぜハーシスだったのか。厚労省の担当者は「省内が混乱していたので詳しい経緯はわからない」と話す。ハーシスの開発を主導した橋本岳副大臣(当時)にはFFHSの情報は上がっておらず、橋本氏は「必要な機能が備わっていると説明を受けていれば、採用していたかもしれない」と振り返る。