厚生労働省は22日、塩野義製薬が開発した国産初の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認した。迅速に審査するために5月に新設された緊急承認制度が初めて適用された。12月上旬から使用できるようになる見通しだ…
ゾコーバは医師の処方が必要で、12歳以上の軽症・中等症患者が対象。重症化リスクの低い人も使えるのが特徴だ。発症3日以内に飲み始め、1日1回5日間服用する。ただし、妊婦には使用できないうえ、一部の高血圧や高脂血症の治療薬など、併用できない薬が36種類ある。
政府は、塩野義から100万人分を購入する契約を結んでいる。緊急承認は1年の期限付きで、有効性などを確認した上で通常承認の可否を改めて審議する。
7月に開かれた厚労省の専門家会議では、中間段階の臨床試験で12症状の総合的な改善効果が十分に示されなかったことなどから、「有効性が推定できるとは判断できない」として承認が見送られた。今回は、塩野義から追加提出された最終段階の臨床試験データを基に再審議。現在主流のオミクロン株で多い喉の痛み、せき、発熱などの5症状が消失する時間を約24時間短縮する効果がみられたことなどを踏まえ、賛成多数で承認が了承された。