認知症やALSなどの神経変性疾患 原因のタンパク質を特定

Emotional, Burning, Unlimited Tuned Laboratory

高い技術誇る「分析職人」
東京都医学総合研究所 脳・神経科学研究分野長 長谷川成人さん

認知症やパーキンソン病、次第に体が動かせなくなっていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)。いずれもまだ治療法のないこれらの病気の原因解明に重要な役割を果たす発見をした日本人研究者がいます。東京都医学総合研究所で脳・神経科学研究分野長を務める長谷川成人(まさと)さん(61)。脳神経の病気を引き起こすタンパク質を詳細に分析する「職人」です。九月には、ノーベル賞の登竜門ともいわれるクラリベイト引用栄誉賞を受賞した長谷川さんに話を聞きました。
「豪雪地帯で育って、忍耐が取りえなんです。地味な研究を、地道に続けたことを評価してもらえるのはありがたい」。新潟県出身の長谷川さんは、賞のよろこびを、こう話します。
記憶や認知機能が衰えていく認知症、体を動かしづらくなっていくパーキンソン病やALSは、「神経変性疾患」という病気に分類されます。症状は違いますが、いずれも脳の神経細胞が次第に死んでいく病気です。