日本アイ・ビー・エム(IBM)は4月27日、辛子明太子の製造・販売を手掛けるやまやコミュニケーションズと、システム開発企業のシグザムと共同で、たらこ製造工程の異物検査やグレードの判定ができるAIを開発したと発表した。たらこの表面から、微生物や繊維などの異物が適切に除去されているか否かを検査し、ベテラン作業員と同等以上の精度で品質を判定するという。
やまやは今後、試験運用を行った後に、このAIを2021年に稼働開始予定の新工場に導入する計画だ。同社は現在、異物検査とグレード判定を、海外を含む複数の工場で人力で行っている。そのため、新工場に両業務を集約し、完全に自動化することで、大幅な省人化とコスト削減が期待できるという。
AIの構築に当たっては、ディープラーニングの技術を用いた画像認識の実証実験と、作業員によるグレード判定を再現するAIモデル開発を実施。「人間と同等かそれ以上の精度で、異物検査やグレード判定が可能であると実証した」としている。