介護保険制度を悪用する違法事業者が跋扈

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介護費用は2014年度に10兆円を超え、2025年度には2倍に膨らむ見込みだ。その裏では、あの手この手で介護老人から甘い汁を吸おうとする事業者が跋扈する。知らぬ間に被害に遭うことがないよう、利用する側も知識武装が欠かせない。

「やりきれない思いでいっぱいです」。中部地方でケアマネジャーとして働く佐藤美智子さん(仮名)は、苦しい胸の内をこう明かす。そして勤めている居宅介護支援事業所が介護保険制度を悪用して、入居者から不正に報酬を得ている実態を少しずつ語り始めた。

佐藤さんが今の事業所で働き始めたのは2年前。老人ホームの運営と訪問介護・看護事業を手掛けるA社が新たに居宅介護支援事業も始めることになり、その管理者としてケアマネ資格を持つ佐藤さんを採用した。

ケアマネは、高齢者が介護サービスを利用する際に、支援の中心的な役割を担う、介護保険制度の専門職だ。利用者の心身の状態を見定めて適切なサービスを組み合わせた支援計画(ケアプラン)を立てるほか、各介護サービス事業者への連絡・調整を引き受ける。プラン作成後は、サービスがきちんと実行されているか、あるいは効果が出ているかもチェックする。