AWS圧勝とは限らない、クラウドシェア争いの現場で起きている“異次元成長”

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「クラウドといえばAWS」と言う人がいるほど、AWSは実績・知名度ともに現在トップのクラウドプレイヤーだ。しかし、AWSよりも高い成長速度を見せるクラウドがある。

クラウドファーストからクラウドノーマルへ 〜 クラウド市場の成長

IDCの調査によると世界のクラウド向けIT投資はパブリックとプライベートを合わせ、2015年時点で総IT投資の32.7%を占めるに至ったという。IDCの予測を信じるならば、2020年前後には、世界のIT設備投資において、総IT投資に占める従来型設備投資とクラウド向け設備投資のシェアは逆転する。ITサービスの基底となる設備層では、クラウドを標準として考える“クラウドノーマル”が一足早く常態になりそうだ。
ちなみにIDCによるとIT設備投資全体はCAGR(年平均成長率)4.4%と、世界銀行が予測する世界GDP(国内総生産)のCAGR2.9%を上回っている。だが、従来型IT投資はシェアだけでなく実投資額も年平均1.7%のペースで減少している。1.7%の変化など誤差のように感じられるかもしれないが、これは40年後には投資額が半減するペースだ。継続的に小幅に縮小する市場変化に、さしたる影響はないと高をくくっていると、気が付けば「ゆでガエル」化することになる。もちろん、40年かけてゆっくりと投資額が減っていくなどといった楽観的なシナリオは、字義通り楽観的に過ぎる。課題先送りの習慣が染みついている組織にはつらい時代だ。