トヨタは、水素を燃焼させることで動力を発生させる「水素エンジン」を開発し、レースに投入した。あまり知られていない水素エンジンの仕組みや、トヨタが開発を急ぐ理由などを世良耕太が解説する。
EV化への危惧
トヨタ自動車は、5月22日〜23日に富士スピードウェイで行われたスーパー耐久シリーズ2021の第3戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」(以下、富士24時間)に、水素エンジンを搭載した車両を投入した。“水素エンジンでレースに出よう”と発案したのは豊田章男社長であり、自身がチームオーナーを務めるROOKIE RacingではMORIZO名でドライバーを務めた。富士24時間では自ら体を張って水素エンジン搭載車のステアリング・ホイールを握った …