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シリコンバレーの「詐欺」と「破壊」の一線 — あるスタートアップの栄光と没落から考える

イーロン・マスクの奇行が続き、彼とテスラ社の評価は下がりつつあるが、それでも「やはり余人を持って代えがたい」という考え方もまだ強い。そんなシリコンバレーの風潮について、少々考察してみたい。

先日、『Bad Blood – Secrets and Lies in Silicon Valley Startup(バッド・ブラッド – シリコンバレー・スタートアップの秘密と嘘)』という本を読んだ。9月に完全に消滅したTheranos(セラノス)というベンチャーの栄光と没落のドキュメンタリーである。

同社は、「一滴の血液で、あらゆる血液検査を迅速にできる革新的な技術を開発した」ことをうたって2003年に創業した医療ベンチャーで、2017年までに合計7億ドル(約700億円)を調達、ピーク時で時価総額が100億ドル(1兆円)にまでなったとされている。

結局、このベンチャーの「画期的技術」は実は中身がなく、そのオペレーションはほとんど詐欺と脅迫で成り立っていることがバレてしまい、没落に至る。ちょっと考えれば「これっておかしいよね」と気づくはずなのに、これだけ多くの人がだまされたのはなぜか?そこがこの「シリコンバレーの風潮」の難しいところなのだ …