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「痩せるホルモン」を分泌させる物質をミドリムシから製造

  • ミドリムシに由来する水溶性高分子にインスリン分泌関連ホルモン(GLP-1)の分泌促進作用を確認
  • 内臓脂肪量減少と体重増加抑制効果を確認、インスリン抵抗性を改善する可能性も
  • メタボリックシンドローム、特に糖尿病の新たな予防・治療手段となることに期待

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)バイオメディカル研究部門【研究部門長 近江谷 克裕】分子細胞育種研究グループ 芝上 基成 上級主任研究員は、株式会社 アルチザンラボ【代表取締役 柴田 みなみ】(以下「アルチザンラボ」という)、株式会社 神鋼環境ソリューション【社長 粕谷 強】(以下「神鋼環境ソリューション」という)と共同で、ミドリムシ(EOD-1株)由来の多糖類(パラミロン)から水溶性高分子を作製し、メタボリックシンドロームに関連する指標を改善する作用を示すことを確認した。


パラミロンは水に溶けない多糖類であるが、カチオン性官能基を導入したカチオン化パラミロン誘導体は水溶性となる。今回、高脂肪食肥満モデルマウスにこの誘導体を与えたところ、マウスの内臓脂肪量が減少し、体重増加の抑制作用が確認された。また、インスリン分泌に関与するため糖尿病治療薬開発の重要なターゲットとなっているホルモン(グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1))が、この誘導体を投与しなかった対照群に比べて3倍多く分泌されることが確認された。さらに、インスリン抵抗性が改善された可能性があると考えられた。
なお、この技術の詳細は、平成30年5月24~26日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)他で開催される第61回日本糖尿病学会年次学術集会で発表される。